私たち日本人の日常にもなじみの深い西洋占星術。
正統的な占星術は相談者の人生をとおした大きな運命の流れを読みとく命術に分類され、比較的短い期間の運勢を読むタロットなどの卜術と組み合わせて使う占い師が多い占術です。
歴史は古く、5000年以上。古代メソポタミア文明からはじまったといわれています。
ギリシャで星の神々の神話が入り、エジプトで天文学とむすびついて占星術の胎動が始まります。各地に伝わり、19世紀ヨーロッパで今日の占星術のような占術になりました。
古代ギリシャから近代ヨーロッパまで伝わる間に、天体の知識にくわえて西洋の哲学思想や心理学などの知識もくわわっていきます。そういった知恵の蓄積が占星術の解釈に厚みをあたえているのでしょう。
本格的な運命鑑定ができる正統西洋占星術、雑誌でよくみる13星座占い、お手軽な太陽星座占いなどなど、さまざまな種類があります。
Contents
正統西洋占星術
正統西洋占星術はこんな占い
正統西洋占星術では、水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星・月、10個の天体を使って占います。
この天体を円形にならべた図に相談者の誕生時の天体の位置を書き込み、それぞれの星がそのときどういう配置になっていたかによって運命を鑑定します。
その図がホロスコープです。ホロスコープは円を12分割し、それぞれを1室~12室(ハウス)と呼びます。
ハウスには財運、仕事運、恋愛運など、それぞれに運命的な意味があります。
10の天体にもそれぞれ象意があり、あなたのホロスコープでどの天体がどのハウスにあるかで運命が鑑定できるというわけです。
限りなく詳細な運命鑑定ができる
10個の天体を使い、そしてあなたの誕生時間を使うというところが他のライトな占星術と正統西洋占星術の決定的な違いです。
ホロスコープはあなただけの世界にひとつだけの運命を示します。正統西洋占星術は運命鑑定のパターンが膨大で、複雑な結果が出せます。
「何座の人は~」といったざっくりした分類ではなく、限りなく詳細で個人的な運命鑑定ができるのです。
運命を正確に知るカギとなるあなたの「出生時刻」
正統西洋占星術で正確な鑑定結果を得たい場合、誕生日だけでなく「出生時刻」が必要です。
これがほかの占星術との違いを分ける、あなただけの運命鑑たるホロスコープを作るために必要な要素なのです。
結婚相手や恋人との相性を見る場合もより正確な結果を得るためには相手の出生時刻が欲しいところです。
出生時刻は母子手帳に記録されています。親に確認するか、それが不可能な場合産婦人科をあたれば記録が残っていることもあります。
また出生届けには生まれた時間の記載が義務付けられているため、市役所などで出生届から出生日時を確認するという方法もあります。
自分の出生時刻を知らない人が多いため、よりシンプルな太陽星座占いを使ったり、霊感で補ったりという鑑定をする占い師が多いのです。
また出生時刻の代わりに相談を受けたときの日時を鑑定に用いるホラリー占星術という方法もあります。
本格的な西洋占星術の世界を知りたいのであればぜひ出生時刻の確認を。それがあなたの運命を知るためのカギとなります。
正統西洋占星術がおすすめな人
正統西洋占星術がおすすめなのは自分の人生を変えたい人です。
詳しく自分の運命を知ることができれば、人生を変える生き方が見えてきます。
仕事で行き詰りを感じる、運命のパートナーと出会えない、金銭的、健康面で苦労が多いなど、いまの生活がどうもうまくいっていないと感じている人。
もっと向上発展したい、自分の人生を輝かせたいという人。
人生における重要な出来事のタイミングを知りたいという需要が多く、晩婚化している近年は妊娠時期を占いたいという相談も多くなっています。
自分の運命や生まれながらの性質を知ることで新しい自分に出会うことができます。
ホロスコープは新しい人生の扉を開き、よりよく生きていくための羅針盤になります。
占星術は万能な占術です。
一度ホロスコープを作っておけば、新しい仕事を始めるのにいい時期、出会いのタイミング、結婚の時期、どんな相手と相性がいいかなどさまざまな人生のフェーズで運の流れを知るのに使えます。
太陽星座占い
別名12星座占い
太陽星座占いの別名は12星座占い。一般的に星占いといったらこれのことですね。
正統西洋占星術を単純化したものです。
占いに使う天体は太陽1つのみ。それと相談者の誕生日だけで占う非常にシンプルなものです。
詳しい運命鑑定は不可能
太陽星座占いはタイプの分け方が12星座、使う天体は1つ、つまり12パターンの分類です。ざっくりすぎて、個人ごとの詳細な運命鑑定はできません。
ざっくり分けることでその人の性質や気になる人との相性などをおおまかに知ることはできるかもしれません。
出生時刻を使わない、ハウスの分類もないので、当たることもあるし、当たらないことも多いです。
もし当たるとしたら占い師の霊視力が高いか、解釈のレベルが高いか、話が上手い場合です。
月の星座占い
月で占うあなたの心
月の星座占いは正統西洋占星術を簡略化したもの。1つの天体(月)と占いたい人の誕生日で占います。
10の天体と出生時刻まで使った複雑なホロスコープを作る正統西洋占星術とは違い、人生を見通すような詳細な運命鑑定はできません。
隠された内面を知るために
西洋占星術では天体ごとに意味があり、月は相談者の隠された内面を示します。
いわゆるインナーチャイルドであったり、潜在意識に眠っている幼児期の記憶であったりといったものを表すと考えられます。
月の星座占いはこういった隠れた心を知るための占いと言えるでしょう。
心の中に眠っている自分を知ることは、癒すことにつながります。
そういう意味で前世療法的なヒーリングの意味もある占術です。
13星座占い
13星座占いは12星座占いにへびつかい座を加えた占いです。
テレビや雑誌などの「今日の運勢」でよく見かけますね。
13星座に増えたところで正統占星術とはまず運命鑑定のパターン数が違いすぎます。個人的な詳しい鑑定は不可能です。
ただ12星座占いもそうなのですが、おおざっぱなタイプ分類でも星座ごとの性格みたいなものはやはりあるようです。
そういう意味で楽しんで使うならありです
しかし、星座だけを見て「あなたは何座だから~」と決めつけてくるような占い師はそれほど知識が深くない人なので、短時間で相談を切り上げたほうがいいでしょう。
ホラリー占星術
ホラリー占星術の特徴は、相談された瞬間の日時を用いてホロスコープを作って鑑定することです。
正統西洋占星術では相談者の出生日時を使います。ここがホラリーとの違いです。
正統西洋占星術は出生時刻を使うために個人ごとの詳細な鑑定が可能ですが、逆にいうと出生時刻が分からないと詳しく占えないというのがネック。その弱点を補うのがこのホラリー式鑑定法です。
ホラリーの歴史は以外と古く、17世紀に流行していました。
昔は出生時刻どころか自分の誕生日が分からない人も多かったのです。そこで相談された時間を使うという方法が編み出されたのでしょう。
サビアン占星術
サビアン占星術は正統西洋占星術をさらに詳細、複雑化した占術です。
サビアンでは正統西洋占星術の12のハウスをさらに1~30度の角度で分けます。
そして30で区切られた12のハウス=360通りの象意から運命を鑑定します。
時は20世紀初頭、貴族や文化人が集まり降霊術をおこなっていたスピリチュアルブームの頃にサビアン占星術は生まれました。
アメリカの詩人エリス・フィラーがビジョンを見て360個の象意を言語化し、大占星術師ディーン・ルディアがサビアン占星術として完成させました。
360の意味は非常に詩的で象徴的。それらの象意の絡みのパターンは無限大。それだけに解釈の難しさがあります。レベルの高い占い師が使えばもっとも詳しい占星術鑑定ができるポテンシャルを秘めた占術です。